(ブルームバーグ):ルネサスエレクトロニクス株は26日大きく下落し、一時前日比12%安の1735円と、4月7日以来の日中下落率をつけた。柴田英利社長は同日の投資家向け説明会で、売上高を2022年比で約2倍の200億ドル(約2兆9000億円)、時価総額を同6倍とする目標について、達成時期を30年から35年に先送りすると述べた。
柴田氏は、目標を設定した時期から「エンベデッド(組み込み)半導体を取り巻く環境は大きく変わったというのが実態だ」と弁明。ただ目標自体は取り下げず、「ぶれることなく達成するための準備に重点を置いていく」と話した。
ルネサスは電気自動車(EV)市場の鈍化や地政学リスクなど半導体を取り巻く環境が激変する中、足元での業績が伸び悩んでいる。1-3月期(第1四半期)の売上高にあたる売上収益は前年同期に比べ12%減となった。またEV向けの需要を見込んでいた炭化ケイ素(SiC)半導体の生産を25年に始める予定だったが、開発をいったん中断しており、再開時期も未定という。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、5年先送りの発表が投資意欲の減退につながり、急落したと指摘。ただプラットフォーム強化など将来の成長の確度を高める話もあり、ネガティブな反応は長続きしないのではないかとの見方も示した。
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