トランプ米大統領は25日、米国が来週イランとの会談を行う予定だと明らかにした。だが、米軍の爆撃がイラン核施設に与えた損傷を理由に、同国の核計画を巡る外交的合意の必要性については懐疑的な見方を示した。

「来週イランと会談を行う。合意に署名するかもしれない。だが、それが必要だとは思わない」と、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議後の記者会見で述べた。

トランプ氏はまた、米軍によるナタンズ、イスファハン、フォルドゥ核施設への空爆について「完全に破壊した」と改めて主張。今回の攻撃はイランの核開発を数カ月後退させたに過ぎないとする米情報機関の分析を改めて否定した。その上で、この攻撃により、戦争は事実上「終わった」との認識を示した。

12日間に及んだイスラエルとイランの交戦は、地域全体への戦火拡大やエネルギー市場の混乱が懸念されていたものの停戦が成立。ミサイルの応酬が止まり、原油相場が急落して紛争中の上昇分の大半は帳消しとなり、次の段階となる可能性のある外交交渉に関心は移りつつある。

これに先立ち、イラン外務省は米軍による空爆で国内の核施設が「ひどく損傷」したと明らかにした。イランが空爆の被害について言及するのは初めて。

同省のバガイ報道官はアルジャジーラTVとのインタビューで、「われわれの核施設はひどく損傷した。それは間違いない」と述べたがそれ以上の詳細には言及しなかった。当局が状況を引き続き調査中だという。また、米国の攻撃は、国際法とイランが加盟する核兵器不拡散条約(NPT)に対する「重大な打撃」だと付け加えた。

イスラエル原子力委員会も同日、米国の攻撃により、フォルドゥのウラン濃縮設備は使用不能となったと発表した。また米国とイスラエルによる最近の攻撃により、イランの核兵器開発能力は「数年間」後退したと指摘した。

またトランプ氏は会見で、イスラエルとイランは「非常に激しく戦い、どちらも疲弊し尽くしていた。両国とも満足して戦線を離れた」などと指摘。一方で、「また始まるのか。恐らくいつか始まるだろう。近いうちに始まる可能性もある」とも述べた。

トランプ氏は、イランとどのレベルの協議が再開されるのかについては明らかにしなかった。米国とイランは過去数カ月間に5回にわたり協議を実施。米国側はウィットコフ中東担当特使が主導していた。両国は6回目の協議を予定していたが、イスラエルが13日にイランへの攻撃を開始したことで中止となった経緯がある。

記者会見するトランプ米大統領(動画)

ウィットコフ氏は25日、CNBCとのインタビューで、イランとの外交交渉の展望に関する質問に対し、「包括的な和平合意に期待している」と発言。「最初に交渉を始めた際にも希望を持っていた。結果的にはそうならなかったが、今は希望を持っている。兆しはある」と述べた。

一方で、トランプ氏は中国によるイラン産原油の購入を容認する考えを24日に表明。これがイランに最大限の圧力をかける戦略を損なうのではないかと25日の会見で問われたのに対し、「その戦略を諦めてはいない」と答えた。ただ、米国の経済制裁が中国によるイラン産原油の購入をほとんど抑止できていないことも示唆した。

トランプ氏はイランについて、「彼らが石油を売るのであれば、売ることになる」とした上で、「石油を購入したい中国はわれわれから買うことも、他の国から買うこともできる」と語った。

原題:Trump Says US-Iran Will Talk Next Week, Mideast War Over for Now、Trump Says US, Iran to Hold Talks Next Week, Mideast War ‘Over’(抜粋)

(中国のイラン産原油購入に関するやり取りなどを加えて更新します)

--取材協力:Romy Varghese.

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