ハリウッドの大物俳優らが労働組合に対し、年金運用の投資対象から化石燃料を外すよう求めるキャンペーンを展開している。今年1月にロサンゼルスを襲った山火事が運動の組織化を加速させている。

リタイア・ビッグ・オイル(Retire Big Oil)と題したキャンペーンはマーク・ラファロやジェーン・フォンダ、ドン・チードルといった俳優らが率い、活動家団体とともに取り組んでいる。

約16万人の組合員が在籍する「映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)」は複数の年金プランを提供しているが、やり玉に挙がっているのはSAG-プロデューサーズ年金基金(運用資産約50億ドル=約7200億円)。気候配慮型の投資を推進する団体スフィアによると、少なくとも1億ドルが化石燃料に投資されている。

企業年金に化石燃料投資をやめるよう働きかけている団体、スタンドアースのエグゼクティブディレクター、トッド・パリア氏は「ロサンゼルスが壊滅的な山火事からの復興を進めているが、化石燃料に起因する火災は1年を通して起きている」と発言。SAG-プロデューサーズ年金基金にとって、「持続可能な未来を守るために先陣を切るチャンスになる」と語った。

同年金基金の広報担当者は声明で、気候変動は「投資パフォーマンスに影響を与える要因になり得る。われわれの専門的なアクティブ投資マネジャーとコンサルタントは、リスクとリターンの分析においてこの点を考慮に入れている。組合員との率直な対話を常に歓迎しており、今後も財務的に健全で責任ある投資を実現するために専門家と連携していく」と発表している。

ウォール街で持続可能性への取り組み後退が見られる中、気候変動対策を訴える活動家は近年、年金基金に化石燃料投資から撤退するよう求める圧力を強めている。

原題:Hollywood Stars Press Pension Plan to Sell Fossil-Fuel Assets (1)(抜粋)

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