星さん「長期戦になるとイランが有利な交渉を進めていく可能性も」

小川彩佳キャスター:
23日夜、石破総理はアメリカのイラン攻撃について、「核兵器保有を阻止するという決意を示したもの」「対話の再開を要請する」と答え、トランプ大統領の姿勢を支持するかどうかは明言を避けた形です。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
非常に苦しい言い方だと思います。

今回の爆撃は、どう見ても国連憲章に違反するものであることは明らかなので、日本政府としても「認められない」というのが本音なんですが、日本としては関税交渉などを抱えているので、「非難はできない」ということで、こういう言い方になったわけです。

ちなみに、アメリカは2003年にイラクを攻撃しましたが、当時の小泉総理はいち早く「支持する」という表明をしたんです。実はこのとき、当時のブッシュ大統領とパウエル国務長官が国連に対して、「大量破壊兵器があるから、イラク攻撃を認める決議を出してほしい」と要請していたんです。

藤森祥平キャスター:
結局、決議はされませんでしたが、働きかけていたということですね。

星浩さん:
それなりに段取りは踏んでいましたが、最終的には決議が認められず、古い決議で開戦に踏み切ったという経緯があったわけです。

例えば、今回の核兵器についても、トランプ大統領が認めている「イスラエルの核」は良いけれども、認めない「イランの核」は絶対にダメだ、というようなダブルスタンダードが明らかになったということですね。

藤森祥平キャスター:
イランの報復はどれぐらいの規模になるかですよね。

星浩さん:
おそらくイランは、「正当化されない国際法違反だ」という国際世論がどんどん広がっていくのを見ながらアメリカの中東にある基地を叩く、場合によっては、ホルムズ海峡を封鎖するなど、いろんな選択肢の中からどれを選ぶかということをこれから考えながら、アメリカとの間合いをとっていくんだと思います。

なので、長期戦になってアメリカが引きずり込まれるようになってくると、イランが有利な交渉を進めていくということにもなりかねないと思います。

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〈プロフィール〉
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年