(ブルームバーグ):イスラエルの対イラン攻撃に米国が加わるとの観測が、国際原油市場にのしかかり、市場ウオッチャーは、地政学的リスクプレミアムの再評価を迫られている。
バークレイズのアナリスト、アマルプリート・シン氏は「最悪のシナリオが市場に織り込まれているとはいえない。より大規模に衝突が拡大する最悪の展開になれば、原油価格は1バレル=100ドルを突破するとわれわれは予想したい」と認識を示した。
アナリストとトレーダーを対象に実施した調査によると、イスラエルがイランの核関連施設などを空爆し、イランが反撃する応酬が始まった先週末以降、ICEフューチャーズ・ヨーロッパの北海原油代表油種ブレント先物は、バレル当たり8ドル程度の地政学的プレミアムを織り込んだ。
今回の衝突に米国が介入すれば、リスクプレミアムがさらに強化されるが、正確にどの程度影響するかは、関与の性質に左右されると回答者9人は指摘した。
米政府高官らが数日中のイラン攻撃の可能性に備えており、週末の攻撃プランを示唆する向きもあると先に伝えられた。ホワイトハウスのレビット報道官は19日、トランプ大統領がイランを攻撃するかどうか2週間以内に決定すると明らかにした。
 
国際石油資本(メジャー)の英シェル(旧ロイヤル・ダッチ・シェル)のワエル・サワン最高経営責任者(CEO)は19日、ペルシャ湾の重要な海上交通の要衝が封鎖された場合、「かなりの衝撃を招く恐れがある」と警告し、シェルが準備する危機管理計画に言及した。
オプション市場もリスクを反映し始めた。コールオプション(買う権利)のプットオプション(売る権利)に対するプレミアムは、少なくとも2013年以降で最も大きい。ウクライナ侵攻がロシアの原油生産途絶につながると懸念された22年も急拡大したが、今回のプレミアムはその当時を上回る。
原題:Oil Braces for Even Bigger Risk Premium as US Mulls Iran Strikes(抜粋)
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