不動産市場の低迷と若年層の高い失業率

中国経済の減速の引き金となっているのは、不動産市場の低迷です。

中国の消費者たちは不動産を資産形成の手段としてきましたが、不動産危機により多くの中間層の家計資産が失われました。

さらに深刻なのは、中国の若年層の高い失業率です。

これまで、意欲的な若手専門職は高級ブランドの成長を支える重要な顧客層でした。

近年、中国の富裕層購買者の半数以上が、1990年以降生まれであることからも、彼らが市場に与える影響の大きさがわかります。

そして若者の失業率は全体の失業率を上回っており、これが市場回復の大きな壁となっています。

高級品を望んでいた顧客の多くが、今や財布の紐を締め、高額商品への支出を控えるようになっているのです。