(ブルームバーグ):米メタ・プラットフォームズは12日、人工知能(AI)を使って写真の女性を裸にする「ヌード化」アプリを広めたとして香港拠点の企業「ジョイタイムラインHK」を提訴した。AIによる性的画像を巡り世界的に批判が高まる中、厳しく対応する姿勢を示した。
ウェブサイトでの発表によると、ジョイタイムラインは相手の同意なしでヌードやわいせつ画像を生成するアプリ「CrushAI」をメタのプラットフォームで宣伝したという。
また、規則違反としてメタが広告を削除しても、ジョイタイムライン側が繰り返し審査プロセスを逃れようとしたと主張している。
今回の法的措置は、インターネット上での同意のない性的画像に対する取り締まり強化の一環だ。ヌード化された画像は性的な脅迫や虐待などに使われる可能性があり、メタは今後、ヌード化アプリの宣伝に関連した広告やアカウント、コンテンツの情報を他のテクノロジー企業と共有することにしている。
メタによると、ヌード化アプリを宣伝する一部の企業は、審査を免れようと無害な画像を使ったり、新たなドメイン名を素早く作成してブロックされたウェブサイトと置き換えたりしたりしており、これらに対応するため、メタはヌード化された画像が含まれていなくても、これらの企業による広告を特定できる技術を開発したとしている。
メタは「ヌード化アプリはインターネットの至る所で宣伝されていて、アプリストア上でも入手可能な状況だ。一つのプラットフォームから取り除くだけでは十分ではない」としている。
ジョイタイムラインは公開されているメールアドレスを通じたコメントの要請に対し、現時点で回答していない。
メタは、10代を含む若者の保護に十分に取り組んでいないとして、世界各地で批判にさらされている。オーストラリアでは、16歳未満のSNSの利用を禁じる世界初の法律が今年施行される予定で、他国でも規制強化の動きが広がっている。
原題:Meta Sues Hong Kong Firm in Crackdown on Deepfake Nude Apps(抜粋)
--取材協力:Kurt Wagner、Newley Purnell.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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