植草氏「子育て支援が“個人の負担”に疑問」

藤森祥平キャスター:
みなさんの考え方が様々で、その一つ一つにそうだなと思ってしまいます。
来年4月に始まる「子ども・子育て支援金制度」は、毎月支払っている医療保険料に上乗せして平均250円から450円ぐらい、段階的に徴収するというものです。
街の意見は…
▼独り身は控除がないし子どもがいないのに何でって思う
▼少ない給料からとられる。別の財源をまわせないのか?
▼結婚・出産だけでなくいろんな選択肢がある
結婚したい・したくない/出産したい・したくないの意見は尊重されてしかるべきですが、これらにより“独身税”という表現が広がってきています。
小川彩佳キャスター:
そうですね。どこかに特別上乗せされる訳ではなく、世代を問わず負担を分かち合う仕組みなのですが、“独身税”というふうにも言われてしまう。植草さん、これにはどういった背景があるんでしょうか?

婚活アドバイザー 植草美幸さん:
私は日本全体での少子化だと思っていて、とても危機感を感じています。
税金もその後の使い道が重要で、それが産む/育てることに安心感を持てるような使い方をしてくれるのであれば、いいのではないかなというふうに思います。
藤森キャスター:
これだから、こうした少子化対策に向けた取り組みを分かち合うことへの違和感はどうしても拭えないですよね。

地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
「子どもを産む人だけの問題で、独身者にはメリットがない」と言う人がいますが、それは「あなたの年金にも関係あるでしょう」と思ってしまいます。
しかし、それよりも子どもが減って一番困るのは個人ではなく人手不足の企業や、税金を払う人が減る政府のはずなのに、子育て支援が個人の負担であることに疑問を持っています。
私は今、目先で一番困ってるのは企業なんだから、例えば黒字の企業が払っている法人税を次元的に上乗せして子育て支援に回したらいいと思うのですが、財界は反対しますかね。
もし反対するとなると、これは「“独身税”で俺には関係ない」と言ってる人よりもっとまずいと思います。こっちの方が、自分が当事者だとわかってないですよね。
小川キャスター:
先に負担するべきところや、やるべきことができていないから、こうした“独身税”という言葉もできているんでしょうか。
地域エコノミスト 藻谷さん:
そうですね。個人の年金が減るのは何十年後なので、何だよと思うかも知れませんが、企業は今目の前で困ってるはずなのに、なぜ自分たちで負担する話が出てこないのかなと思います。