(ブルームバーグ):米国とメキシコはトランプ米大統領が課している鉄鋼輸入への50%関税について、一定量の輸入分に限り撤廃する方向で合意に近づいている。事情に詳しい複数の関係者の話で明らかになった。
トランプ氏自身は交渉に直接関与しておらず、いかなる合意にも最終的な承認が必要となる。交渉はラトニック商務長官が主導しているという。関係者は協議が非公開で行われているとして匿名を条件に語った。
関係者によれば、合意はまだまとまっていない。現時点の合意案では、米国の購入者はメキシコから一定量以下の鉄鋼を輸入する限り、関税なしでの調達が可能になる見通しだ。輸入上限は過去の取引量に基づいて設定されるという。
また、新たな上限は、トランプ政権1期目での同様の合意より高く設定される見込み。当時の合意では上限は固定された数値ではなく、「輸入急増を防ぐ」ことを目的とした枠組みだった。
ホワイトハウスはコメントの要請にすぐには応じなかった。メキシコのシェインバウム大統領の事務所もコメント要請に返答しなかった。
ブルームバーグの報道を受け、米国の鉄鋼株は時間外取引で下落した。クリーブランド・クリフスは7%超下落し、ニューコアは4%強の値下がり。一方でメキシコの通貨ペソは下げ幅を縮小した。
メキシコのエブラルド経済相は10日に行われたイベントで、米国がメキシコより多くの鉄鋼を同国に輸出しているため鉄鋼関税は正当化されないと先週の会議で米当局者に伝えたことを明らかにした。エブラルド氏は先週6日、ワシントンで笑顔のラトニック氏と握手する写真を投稿している。
エブラルド氏は10日、記者団に対し「6日にメキシコ側の主張の詳細を提示したので、現在は米国側の回答を待っている。われわれの主張は正しい」と述べた上で、「おそらく今週中にも回答があるだろう」との見通しを示した。
原題:US, Mexico Near Deal to Cut Steel Duties and Cap Imports (1)(抜粋)
(鉄鋼株の動きやメキシコ経済相の発言などを追加して更新します)
--取材協力:Josh Wingrove、Alex Vasquez.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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