(ブルームバーグ):テクノロジー分野のいわゆるユニコーン企業は現在1000社余りに上るが、少なくともその5社に1社は淘汰(とうた)される可能性が高い。米ベンチャーキャピタル、アクセル・パートナーズのパートナー、リッチ・ウォン氏がこうした見方を示した。
ユニコーンは評価額10億ドル(約1440億円)以上の未上場スタートアップを指す。ウォン氏は5日にサンフランシスコで開催されたブルームバーグ・テック会合で、「1000社のうち、おそらく20%は完全に消える。おしまいになる」と述べた。
この見方は、テック業界の多くのユニコーンが直面している厳しい現実を反映している。2021年の新型コロナ禍の時にこうした企業の評価額は大きく伸びたが、その後は金利上昇とベンチャー投資の冷え込みにより、多くが苦境に立たされている。
ウォン氏は、生き残った企業の約半数は規模拡大も上場もできないまま停滞すると予測。現実を受け入れて以前の想定より低い評価額で身売りする企業や、「ゾンビのように活動を続ける」企業も出てくるだろうと語った。
一方で、ユニコーンの20-25%は最終的には高い評価額での売却や上場などの形で成功するだろうと同氏は語った。
アルファベット傘下のグロース投資ファンド「キャピタルG」のマネジングパートナー、レイラ・スターディ氏もこの見解に同意。同会合のパネルディスカッションで、一部のスタートアップは成長するが、現在のユニコーンの中で独立した上場企業になれるのはごく少数にとどまるだろうと指摘した。
同氏は、規模がトップクラスで、大きな成功を収めている企業なら、上場の是非や時期を自らの判断で決められるとも話した。キャピタルGが多額を出資する決済大手ストライプは新規株式公開(IPO)の可能性をほのめかしつつも、長く非公開のままだ。
スターディ氏はこのままずっと上場しないことはないとの見方を示し、「時代を代表するようなテクノロジー企業にはいずれ上場を決断する時が来る。上場には今も利点がある」と語った。
原題:About 20% of Tech Unicorns Will Die, Accel Partner Predicts(抜粋)
--取材協力:Lynn Doan.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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