ステーブルコイン「USDC」の発行元である米サークル・インターネット・グループは5日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。同社の株価は急伸し、168%高で取引を終えた。ここ数年で最も華々しいデビューを果たした。

4日に実施した新規株式公開(IPO)は当初計画を上回る11億ドル(約1580億円)規模で、IPO価格は31ドルだった。

初日の取引では一時、IPO価格の3倍強となる103.75ドルを付け、急変動により売買が数回停止された。終値は83.23ドルだった。

ブルームバーグの集計データによると、規模が1億ドルを上回る米IPOとしては、2021年のソノ・グループ以来の大幅な初日上昇率となった。

今回のサークルのIPOは、旺盛な需要を受けて二度にわたり発行・売り出し株数が引き上げられ、IPO価格も仮条件を上回った。ステーブルコイン発行企業が市場に一段と受け入れられていることが示唆された。

共同創業者のジェレミー・アレール最高経営責任者(CEO)は5日のインタビューで、「ステーブルコインが定着しているという事実を世界はすでに認識している」と語った。

 

提出文書の発行済み株式数に基づくサークルの時価総額は185億ドルとなった。ストックオプションや譲渡制限付き株式、ワラント(新株引受権)を含む希薄化後のベースでは約221億ドルとなる。

ステーブルコインは法定通貨などを裏付けに発行されるデジタル資産。現在、米議会ではステーブルコイン規制に関する法案の審議が進んでおり、成立すれば機関投資家の大量購入につながる可能性がある。

アレール氏は、各国政府がステーブルコインを電子マネーに位置づける法律整備を進めているとし、「世界中でこうした動きが加速している。これがテクノロジー大手や決済会社、金融機関などの関与を促している」と述べた。

提出文書が引用したコインマーケットキャップのデータによると、サークルが発行するUSDCの3月末時点の市場シェアは約29%と、ステーブルコインとしては2番目の規模となっている。同社のウェブサイトによれば、USDCの流通額は5月29日時点では約610億ドル。

米サークル・インターネット・グループの株価はNY上場初日に168%上昇

原題:Circle Doubles in Wild First Day of Trading for Stablecoin Firm(抜粋)

--取材協力:Kirk Ogunrinde.

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