モルガン・スタンレーのエコノミストはインフレの鈍化と労働市場の軟化によって、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和のペースを加速できるとして、来年1月まで4会合連続での利下げを予想している。

FRBは来週開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げると広く予想されている。市場では10月と12月の追加利下げも見込まれている。

市場の織り込み具合によれば、大半の投資家は12月を最後にFOMCは利下げを停止し、利下げ再開は来年4月と予想している。モルガン・スタンレーはしかし、今年9月と10月、12月、そして来年1月に金利は引き下げられ、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジ上限は3.5%になるとみている。

「インフレの鈍化と労働市場環境の軟化で、FRBには中立水準に向けて利下げを加速する余地が生じる」とマイケル・ゲーペン氏ら同社エコノミストは顧客リポートで指摘。雇用環境の軟化を踏まえると、FRBは「より断定的に」中立水準を目指すだろうと続けた。

同社のエコノミストらはFRBが1月利下げの後、インフレ面の影響を評価するために金利変更を見合わせると予想。インフレは1-3月(第1四半期)に加速する傾向がある。「こうしたノイズが一巡すれば、労働市場の悪化継続を背景に4月と7月に追加利下げがあると予想する」とリポートに記した。

これまでは9月から26年12月にかけて毎四半期25bpのペースで金利が引き下げられ、ターミナルレート(金利の終着点)が3%を割り込むと予測していた。現在ではより速いペースの利下げを見込んでいるものの、ターミナルレートの想定水準は維持している。

同社エコノミストは9月の50bp利下げはないと予想。その理由として比較的低い失業率と、フェデラルファンド(FF)金利がすでに1ポイント引き下げられ、昨年に比べて中立金利に100bp近づいていることを挙げた。

原題:Morgan Stanley Sees Faster Pace of Fed Cuts Through Early 2026(抜粋)

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