米上院本会議は4日午後(日本時間5日午前)、トランプ大統領が先に連邦準備制度理事会(FRB)の銀行監督担当副議長に指名したボウマン理事の就任を賛成多数で承認した。トランプ政権下で規制緩和が進む流れを示唆する人事だ。

5世代にわたる銀行家で共和党系のボウマン氏はかねて、一段と「的を絞った」銀行監督の必要性を講演で強調してきた。規制の優先事項の大幅変更を示唆してきたボウマン氏は、前任のバーFRB理事よりも銀行業界と良好な関係にある。

ボウマンFRB理事

バー氏は今年、銀行監督担当の副議長を辞任。ボウマン氏は銀行規制・監督やストレステスト(健全性審査)、資本規制などを巡り、バー氏とたびたび対立してきた経緯がある。

銀行業界は資本規制案の巻き戻しを求めるボウマン氏の姿勢を評価。一方で銀行寄りの姿勢が行き過ぎているとして、FRBの独立性を損なうとの批判もある。

ボウマン氏は「バーゼル3最終化」と呼ばれる資本規制について、連邦預金保険公社(FDIC)や通貨監督庁(OCC)と協力して新たな提案をまとめたい意向を表明している。同氏は最大手行の資本要件を19%引き上げる内容の当初案を強く批判していた。

このほか、補完的レバレッジ比率(SLR)のルール改正の可能性を巡っても、ボウマン氏は他の規制・監督当局と協調している。SLRについては、銀行による米国債購入の妨げになっているとの批判があり、ベッセント米財務長官も先月、今夏にも当局が緩和する可能性があると述べていた。

ボウマン氏はまた、ウォール街の大手金融機関ゴールドマン・サックス・グループ、法律事務所デービス・ポーク・アンド・ウォードウェル、大手銀行ロビー団体バンク・ポリシー・インスティテュートなどからアドバイザーを起用している。

原題:Bowman Confirmed by Senate to be Fed Vice Chair for Supervision(抜粋)

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