(ブルームバーグ):金利市場は日本銀行が今後数カ月に急激な利上げに踏み切るリスクを過小評価していると、ドイツ銀行は指摘。こうした見方から、円は対ドルで年末までに5%余り上昇するとの予想を示した。
ドイツ銀行のマクロストラテジスト、ティム・ベイカー氏は「日本銀行にはまだやるべきことがある」と4日のリポートで指摘。「インフレは幅広い品目にわたってかなり根強く続いているようだ。日常的に消費者の目に触れることから、今後も期待に影響を与え続けるだろう」と記した。
金利スワップ市場は現在、日銀による年末までの利上げ幅を20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満と織り込んでおり、想定される政策金利は0.6-0.7%の範囲にとどまっている。
「名目国内総生産(GDP)成長率が約4%で推移している割には、これは極めて低い政策金利のように見受けられる」とベイカー氏は述べた。
円の上昇ペースは金利市場の動きを上回る可能性があると、ドイツ銀ではみている。日本の投資家がヘッジ比率や「ほとんどヘッジされていない膨大な外国資産」の見直しを進めるためだという。
その上で、「現時点で売却の兆しは見られないが、今後その動きが出てくる可能性はある。一方で、3月末時点で記録的な低水準にあったヘッジ比率が、引き上げられる可能性もある」と続けた。
ドル・円相場は2025年末までに1ドル=135円に下落すると、同行では予測。これは現行水準から約5.5%の値下がりを意味する。
原題:Underpriced Bank of Japan Rate Hikes to Lift Yen: Deutsche Bank(抜粋)
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