(ブルームバーグ):中国は来月にもエアバス製の航空機を数百機規模で発注することを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。欧州の首脳が長年にわたる双方の関係を祝うために北京を訪問するタイミングと重なる見通しだという。
非公開情報を理由に匿名で語った関係者の話では、中国の複数の航空会社との間で潜在的な発注規模について協議が進められている。取引には約300機の航空機が含まれて、ナローボディー機とワイドボディー機の両方が対象となる可能性がある。関係者の1人は発注規模が200機から最大500機に達する可能性があるとも述べた。
交渉は流動的で、最終合意に至らない可能性や、最終的な結論に達するまでにさらに時間がかかる可能性もあると関係者は語った。
エアバスはコメントを控えた。中国民用航空局の担当者にファクスでコメントを要請したが返答は得られていない。
この報道を受けて4日のパリ株式市場で、エアバスの株価は一時4%を超える上昇。エアバスのワイドボディー機向けにエンジンを製造する英ロールスロイス・ホールディングスはロンドン市場で一時0.7%高となった。
中国と欧州連合(EU)の外交関係樹立50年を祝うため、フランスのマクロン大統領やドイツのメルツ首相らが7月に北京を訪問する可能性がある。
仏独はエアバスの2大オーナーであり、同社との大型契約がまとまれば中国の習近平国家主席は貿易を巡りトランプ米大統領にメッセージを送る意味合いを持ちそうだ。
ボーイング離れ
トランプ大統領が2期目に書き換えを決意する貿易ルールを巡り、米中は対立。エアバスと競合する米ボーイングはそのあおりを受けている。中国当局は4月、国内航空会社にボーイング機の納入受け入れ停止を指示した。中国市場はかつて2大航空機メーカーが均衡していたが、いまやエアバスが優位に立つ。
関係者によると、新たな注文の多くはワイドボディー機が占める。ワイドボディー機の中で最も小さいA330ネオに一定の注文がありそうだと、関係者の1人は述べた。中国の国営・民営航空会社によるワイドボディー機の発注済み納入待ち機数は減っているが、これはワイドボディー機ではボーイングが伝統的に強かったことが背景にある。
発注規模が500機となるなら、中国が2022年にエアバスのナローボディー機300機を注文した370億ドル(約5兆3200億円)規模の取引を上回り、中国としては間違いなく過去最大となる。世界的には、インドの格安航空会社インディゴが23年半ばにエアバスにナローボディー機500機を発注したのが史上最多だが、それに匹敵する。
ボーイングは米中の緊張や自ら引き起こした問題が災いし、中国では少なくとも2017年以降、大型契約を勝ち取ることができていない。2件の墜落事故を起こしたボーイングの737MAXについて、中国は19年に世界に先駆けて運航停止処分を下した。トランプ政権1期目、バイデン政権と続いた貿易を巡る争いも中国をエアバスへと傾かせた。さらに昨年1月に空中で737MAX機の窓や機体の一部が吹き飛ぶ事故が発生し、ボーイングの質の管理があらためて問われた。
原題:China Weighs Ordering Hundreds of Airbus Jets in Major Deal (1)(抜粋)
(株価の動きを第5段落に挿入し、第8段落以降に情報を加えます)
--取材協力:Zheng Wu.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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