(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーは、ドル指数が来年半ばまでに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時以来の安値水準まで下落するとの見通しを示した。利下げと景気減速が主な要因だという。
マシュー・ホーンバック氏らストラテジストは5月31日付のリポートで、ドル指数が現値水準から来年の今ごろまでに約9%下落すると予想。貿易摩擦がドルの重しとなる中、最近の下落傾向がさらに加速するとしている。
ストラテジストらは「金利と為替市場は、過去2年間の広いレンジ内での乱高下を経て、ドルの大幅な下落とイールドカーブの大幅なスティープ化という持続的なトレンドに入った」と記した。
モルガン・スタンレーの見通しは、ドルの先行きを疑問視する市場関係者の見方を追認する形となった。トランプ米大統領の通商政策が不確実性をもたらしていることから、トレーダーやアナリストは慎重に見極めている。
JPモルガン・チェースのミーラ・チャンダン氏率いるストラテジストは先週、投資家に対し、ドルに対する弱気姿勢を継続し、代わりに円、ユーロ、豪ドルへの投資を推奨した。
モルガン・スタンレーのストラテジストは、ドル安の最大の恩恵を受ける通貨として、ユーロ、円、スイス・フランを挙げた。いずれも安全通貨と見なされている。
ユーロについては、現在の1.13ドルから来年には1.25ドル程度まで上昇すると予測。ポンドも1.35ドルから1.45ドルに上昇すると見込んだ。英国の貿易摩擦リスクが比較的低いことなどが背景にあるという。円については現在の1ドル=143円前後から130円まで円高が進む可能性があるとした。
また、米10年債利回りについて今年末には4%に達すると想定。来年には米金融当局による合計175ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが実施されることで大幅に低下すると見込んでいる。
原題:Morgan Stanley Sees Dollar Falling 9% on Slowing US Growth Bets(抜粋)
--取材協力:近藤雅岐.
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