(ブルームバーグ):中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)への売りが膨らんでおり、過去1週間の株価下落率は17%余りに達した。同社の積極的な値下げ攻勢を巡り、中国政府が厳しい目を向け始めているほか、中国EV業界全体にとって持続不可能との懸念が広がっていることが背景にある。
中国共産党機関紙、人民日報は1日掲載の論説で、業界の過当競争を批判。価格競争はサプライチェーンの安全保障を深刻に脅かすと警告した。また具体的な企業名への言及は避けながらも、低価格かつ低品質の製品は「メイド・イン・チャイナ」の国際的な評価を著しく損なうと指摘した。
また中国自動車工業協会(CAAM)も5月31日にウェブサイトに掲載した資料で、利益率を圧迫するとともに製品の質を低下させ、業界の健全な発展を妨げる「悪質な競争」について警鐘を鳴らした。
中国工業情報化省もこれに足並みをそろえ、自動車業界における不健全な競争を根絶し、市場秩序と消費者権利を保護するための措置を強化する方針を示した。中国メディアの財聯社が報じた。
BYDはこれまで中国自動車業界の激しい価格競争を主導してきた。これにより業界全体の利益が圧迫され、世界をリードする中国EV業界の先行きにも影を落としている。
BYDの5月の販売台数は38万2476台と、2025年に入って最高を記録した。だが、前年同月比の伸び率は15%にとどまった。これは旧正月の影響で納車が落ち込んだ昨年2月を除くと、2020年8月以来の低水準だ。
5月の販売台数のうち、乗用車は37万6930台だった。注目すべきは、バッテリー駆動式乗用車の販売台数が20万4369台と、プラグインハイブリッド車の17万2561台を上回ったことだ。これは2024年初頭以降で2度目となる。
BYDは5月下旬、最大34%の値下げを実施。同業他社も追随し、同社を含むEVメーカーの株価は急落した。
シティリサーチのアナリストらは、BYDによる値引き後、同社のディーラーへの客足が前週比で30-40%増加したと見積もっている。
BYDの販売台数は年初からの累計で176万台に達している。同社が掲げる年間目標は550万台。
原題:BYD Shares Sink as Carmaker Faces Backlash Over EV Price War(抜粋)
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