ウクライナは1日、ロシアの複数の戦略空軍拠点をドローン(無人機)で攻撃した。トラックに隠した無人機をロシア国内で展開し、シベリア東部を含む戦略的空軍基地を攻撃した。

同じ頃にロシアもウクライナの首都キーウをミサイルとドローンで攻撃した。今週の両国政府による和平協議を前に緊張が激化した。

ウクライナは今回のドローン攻撃で、ロシアの戦略爆撃機「ツポレフ95」や長距離爆撃機「ツポレフ22M3」、早期警戒管制機「A50」を含む40機以上の航空機に損害を与えたという。ウクライナ保安庁(SBU)の当局者が匿名を条件に語った。同当局者によると、作戦はSBUのマリューク長官が指揮し、ロシア側の被害額は約20億ドル(約2800億円)に上る可能性がある。

複数の当局者によると、ドローンはロシア国内でトラックに積載された木製の移動式施設から遠隔操作で発射された。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領はこの作戦について、「計画着手から実行まで1年6カ月9日かかった」とした上で、「これまでで最も長距離の作戦だ。作戦準備に関与した人員は、ロシア領内から無事撤収した」と語った。

ゼレンスキー大統領は別のテレグラム投稿で、3つの時間帯にわたってロシア国内で作戦を展開し、117機の無人機を使用したと述べた。さらに、「空軍基地に配備されていた戦略巡航ミサイル搭載機の34%が被害を受けた」と説明した。

ロシア国防省はテレグラムを通じて声明を発表し、極東や東シベリアからモスクワ近郊にかけて、国内5カ所の軍用飛行場が攻撃を受けたことを明らかにした。ただ、イルクーツク州とムルマンスク州の軍事基地2カ所で「数機の航空機ユニット」が損傷しただけだと主張している。

また、「イワノボ州、リャザン州、アムール州で攻撃を撃退した」と指摘しているが、ブルームバーグは双方の主張を独自に確認できていない。

1日にウクライナはロシアのミサイルと無人機によって9時間以上にわたって攻撃を受け、軍の訓練施設への攻撃で少なくとも12人が死亡した。これを受けて、ウクライナのミハイロ・ドラパティ地上軍司令官は辞任を表明した。

こうした攻撃は、ロシアとウクライナが2日にトルコで予定される2回目の和平協議に代表団を派遣する直前に起きた。現時点でロシア側は今回の攻撃が協議に影響を与えるかどうかについて態度を明らかにしていない。

ロシアで橋が崩落

ロシア当局は1日、ウクライナと国境を接する地域で橋が相次いで爆発し、通過中の列車が巻き込まれて少なくとも7人が死亡したことを受けて刑事捜査に着手した。

ロシア連邦捜査委員会のペトレンコ報道官は国営テレビ局ロシア24で、当局はこれら事案を「テロ攻撃」だと判断していると述べた。

ウクライナと国境を接するブリャンスク州のボゴマズ知事がテレグラムに投稿した内容によると、5月31日深夜にモスクワ行きの旅客列車に道路橋の一部が落下。負傷者数は70人以上に上るという。

ロシア鉄道は「輸送業務への不正な妨害」があったとしている。通信社RIAノーボスチによると、ボゴマズ知事は爆発によって橋が崩壊したと述べた。

その数時間後、同じくウクライナと国境を接するクルスク州でも同様の事故が発生。6月1日午前に貨物列車が通過中の鉄道橋が崩壊したと、ヒンシュテイン知事代行が明らかにした。2件の事故の関連性は不明。

原題:Ukraine Drone Strikes Hit Nuclear Bombers Deep Inside Russia (3)、Ukraine Drones Strike Deep In Russia, Hitting Military Planes(抜粋)

(ゼレンスキー大統領の発言などを追加して更新します)

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