(ブルームバーグ):中国の電子商取引大手アリババグループの蔡崇信会長は24日、米中間の緊張が続く中でアジア企業はアジア域内や欧州市場に成長の機会を探すべきだと指摘した。
蔡会長はマカオで開かれたテクノロジー関連会議で、「われわれが築いてきたアジアと世界をつなぐ架け橋を一部の政府が壊そうとしている」と述べた。具体的にどの政府かは明言しなかったが、トランプ米大統領による貿易戦争が市場の混乱および一部の国・地域からの報復関税措置を招き、海外から中国企業に向けられる視線が厳しくなる中での発言となった。
蔡会長はまた「実際にアジア域内では多くのビジネスが展開されている。東アジアの国には東アジアや東南アジア、さらには南アジアの国との間で機会がある」とした上で、欧州についてもアジア企業にとって「素晴らしい機会だ」と語った。

また、「アジアでの取引を考える上で、欧州人は文化的にかなり異なる考え方をする」とし、「米国人は白黒をはっきりさせる傾向があり、良くなければ悪いと判断する。一方、欧州人はニュアンスをもっとよく理解すると思う」と語った。
アリババの主力事業は、長引く米中対立の影響を受けてきた。人工知能(AI)分野でのアリババとアップルの提携にトランプ政権が懸念を示したとの米紙ニューヨーク・タイムズの報道を受け、アリババの株価は先週下落した。この提携はアリババにとって大きな前進と受け止められていた。
アップルはアリババとの提携について公に言及していないが、蔡会長は2月、提携に関する報道内容を確認した。ただ、アリババが中国でアップルの独占的なAIプロバイダーとなるかどうかについては明言していない。
原題:Alibaba Chair Says Asian Firms Can Seek Growth Outside US (1)(抜粋)
--取材協力:Annabelle Droulers、Lauren Faith Lau、Debby Wu.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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