非正規雇用も多く、低賃金で苦しむ人が多いとされる就職氷河期世代。その支援策となるはずだった年金の改革法案が「骨抜き」となって国会に提出される見通しです。

不遇の“氷河期世代” 年金は?

--あなたは将来、年金をいくら受け取れると思いますか?

30代 会社員
「私と主人あわせて(月)15万円あったら安心かなと。今より物価も上がったり、光熱費も上がったりしていると思うから」

40代 夫婦
夫「2人あわせて15万です。(内訳は)5万食費、5万雑費、5万フリーみたいな」
妻「私はいつまで働くのかなって、今から不安になってる感じはあるので、ちょっと15万じゃ足りないかな」

老後の暮らしを支える“年金”。

その水準が約30年後には、現役世代の収入の“5割ほど”になるかもしれない…。厚生労働省はそんな試算も示しています。

30代
「ほぼ貰えないものとして認識しているので、払い損かなと」

30代
「制度自体がなくなりそう」

とりわけ不安の声が聞かれたのが、40代から50代半ばにあたる“就職氷河期世代”です。

50代 会社員
一番損な世代だと思います。就職してすぐにバブルが弾けて、給料の上がり幅も低い。最近になって『(年金が)もう貰えないかもしれない』と思っても、もうこんな年齢だから、『どうやって貯めていったら良いんだろう』と」

50代 会社員
「新入社員が初任給で『30万円だ』『35万円だ』というのが、結局、初任給で上げられて、中間の氷河期世代のベースアップが無い。(年金は)80%から70%ぐらい貰えれば御の字」

50歳 会社員
不遇な世代です。(就職活動で)200社、300社というはがきを書いたのに、返事が全然来ないみたいな、そういう時代。(年金は)いつ貰えるかわからないものと思っています」

当時、就職活動が思うようにいかなかったという人も。

40代 個人事業主
「自分は就職できなかったので…。今はデリバリーとかそういう感じ。普通にやっていたら自分は(貯金)できない。年金制度自体が続いているか、続いていないのか…そんなにあてにしていない」

17日、閣議決定され、国会に提出される見通しの「年金制度改革法案」。

政府は当初、厚生年金の加入期間が短い「就職氷河期世代」を支援するため、国民年金の底上げを検討していました。

ところが、財源として、会社員らが納める「厚生年金の積立金」をあてる案に対し、自民党内で「流用だ」との指摘が相次ぐ事態に。最終的に法案からは削除されました。

改革の目玉を失った法案に、 “骨抜き”だとの批判が広がっています。

立憲民主党・重徳和彦政調会長
「これでは就職氷河期世代を見捨てるようなものだと私は思います」

国民民主党・玉木雄一郎代表
「まんじゅうの、こしあんか何か知りませんけど、“あん”のほとんどを抜いた形で“がわ”だけ出してきても、それは多くの皆さんの将来不安を解消する年金改革になっていません」