米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)がほぼ毎週行う暗号資産(仮想通貨)ビットコイン購入発表のタイミングと規模が注目を集めている。同社が価格を押し上げているのではないかと一部の市場関係者はみている。

マイケル・セイラー氏率いるストラテジーは12日、5-11日に計13億4000万ドル(約2000億円)相当のビットコインを購入したと発表した。この週にビットコインは約9%値上がりした。

ブルームバーグのデータによれば、ストラテジーが今年実施した10億ドル超の購入で、6件のうち4件がビットコイン価格上昇と重なった。一方、ビットコインの下げが今年最もきつかった3週間に、同社の購入はなかった。

共同創業者のセイラー会長は、過去5年間でストラテジーをビジネスインテリジェンスソフトウエア企業から変貌させたことで、ウォール街および暗号資産業界の注目を集めた。ビットコインを大量保有するストラテジーは、ビットコインへの間接的な投資手段となっている。

モネス・クレスピ・ハートのアナリスト、グスタボ・ガラ氏は、ストラテジーの「動きにわれわれも気づいている」とし、「ストラテジーの買いがなければ、ビットコインは現在の水準にはなかっただろう」と指摘した。

ガラ氏は、セイラー氏が11日にX(旧ツイッター)に投稿したグラフに言及した。このグラフは「点と点をつなげてみよう」とのタイトルで、2020年8月以降のストラテジーによるビットコイン購入と価格の推移を並べて示している。

一方、投資運用会社ヴァンエックのデジタル資産調査責任者マシュー・シーゲル氏は、ストラテジーのビットコイン購入と価格に相関関係はないと考えている。

「ストラテジーのビットコイン購入はあまりにも規模が小さく散発的で、市場を動かすほどではない」と語った。

原題:Strategy’s Bitcoin Buying Pattern Coincides With Price Increase(抜粋)

--取材協力:Tom Contiliano.

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