(ブルームバーグ):ソフトバンクグループがきょう午後、2025年3月期の連結業績を発表する。通期では4年ぶりの黒字転換が予想される一方、四半期ベースでは2期連続の赤字に陥った可能性がある。再始動に向け、資金調達力の確保や黒字基盤の構築が問われる。
ブルームバーグが集計したアナリスト予想の平均では、25年1-3月期(第4四半期)の純損益は赤字となっている。野村証券は、ビジョン・ファンド(SVF)事業の税引き前利益が赤字になると予想しており、出資先企業価値の低下などが業績を下押しした可能性がある。

ソフトバンクGは、人工知能(AI)を軸とした次世代ビジネスの構築を掲げ、米「スターゲート」構想などを通じて投資を再加速する構えだ。孫正義社長もAI事業に強い思い入れを示している。ただ同社が再び夢を語るには、黒字体質の確立が欠かせない。再始動に向けては足元の業績を立て直し、強固な経営基盤を築くことが求められる。
東海東京インテリジェンス・ラボの中川隆シニアアナリストは年初来約2割下落しているソフトバンクGの株価について、「AI関連の大規模支出に対し、投資家が中長期的な投資収益の見通しに不安を抱けば、下押し圧力になりうる」と指摘。また、円安・ドル高は連結業績には逆風だが、単体ベースの時価純資産(NAV)を押し上げ、株価には追い風となるとの見方を示した。
ソフトバンクGは近年、生成AIなどテクノロジー関連投資に軸足を移しつつあるが、出資先企業の評価額は四半期業績に大きく影響する。同社が出資するインドの料理宅配大手スウィギーの株価は1-3月で約4割下落した。ノルウェーのオートストア・ホールディングスは17%安。
ソフトバンクGは大型の投資案件を相次ぎ発表している。オープンAIへの出資については、みずほ銀行などからの借り入れにより資金を調達することが明らかになっている。国内では今年、個人投資家を中心に社債を発行し、6200億円を調達した。
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