米国とカナダの関係は改善しているものの、カナダからの輸入品に対する米関税の一部は維持される可能性がある。米国のピーター・ホークストラ駐カナダ大使が指摘した。

ホークストラ大使はグローバルTVが11日に放送した番組「ザ・ウエスト・ブロック」でのインタビューで、合成麻薬フェンタニルの米国への流入懸念を背景に、トランプ米大統領が3月にカナダ製品の大半に25%の関税を課したことについて問われ、「関税が完全に撤廃されるかどうかは分からない」と語った。

米税関・国境警備局(CBP)のデータによると、CBPが押収したフェンタニルのうち、米加国境を経由して流入した割合は1%未満だった。カナダ国内でのフェンタニル製造を示す幾つかの証拠も確認されているという。

米国のホークストラ駐カナダ大使

米国と英国は先週、新たな貿易協定に合意。自動車と鉄鋼、アルミニウムの関税については、英国に対し限定的な軽減措置が講じられたものの、英国からの輸入品に対する10%の基本税率は維持された。

ホークストラ氏は、カナダと米国はここ数カ月の緊張状態を乗り越えることができると指摘。トランプ大統領はカナダを米国の51番目の州にすべきだと繰り返し発言し、トルドー前首相を「トルドー知事」と呼び揶揄(やゆ)していた。

トランプ氏は、先週ホワイトハウスで行われたカーニー新首相との会談では、同氏に対しより敬意を示す姿勢を示したという。

駐カナダ大使に先月就任したホークストラ氏は、「トランプ大統領は非常に前向きな関係を望んでいると思う」と指摘。「少なくとも私の見解では51番目の州という話は乗り越えた」と述べた。

原題:US Ambassador Says Canada Tariffs May Not Be ‘Totally Removed’(抜粋)

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