トランプ米大統領による関税発動が世界の金融市場を揺るがした4月は、国内銀行の信託勘定による外国株式の買越額が過去最高を記録した。

財務省が12日公表した4月の対外・対内証券売買契約等の状況によると、銀行の信託勘定は外国株を2兆7623億円買い越した。これはデータを確認できる2005年以降で最高額となる。

貿易戦争が世界経済に与える影響に不安が高まる中、MSCIオール・カントリー・ワールド指数は4月第1週に7%以上下落した。この間、安全資産とされる円は急騰した。

ピクテ・ジャパンの田中純平投資戦略部長は、4月は株式相場が一時的に急落し、為替が円高に振れたため、多くの投資家が好機と見て外国株に買いを入れたと説明。この傾向が続けば日本株は売り圧力にさらされる可能性があるとみている。

財務省が12日発表した3月の国際収支統計によると、国内投資家による米国株の買越額は2兆1239億円となり、05年以降で最大となった。3月の米S&P500種株価指数は円換算で6%下落し、22年12月以来の大幅な下げを記録した。

--取材協力:山中英典、Masaki Kondo.

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