バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は、投資家は現在、トランプ米大統領が今後数カ月間は市場に一層配慮した姿勢を示すと予想しており、2日に発表される米国の雇用統計が好調なら、景気後退への懸念がさらに後退する可能性があると指摘した。

ハートネット氏は、市場参加者が「関税引き下げ、利下げ、税制改革」のシナリオに軸足を置き始めたとしている。同氏は、「雇用情勢が崩れない限り」、金融環境の大幅な緩和と人工知能(AI)への堅調な投資が、成長への不安を和らげるとの見通しを示した。

また、同氏は今年も国際株式への投資を好む姿勢を改めて示した。

 

米国が主要な貿易相手国との貿易交渉に臨むとの楽観的な見方が広がり、米国株はこの2週間で回復してきた。ただ、予想を下回る経済指標が投資家心理を不安定にさせている。2日の雇用統計では、非農業部門の雇用者数の伸びが鈍化すると見込まれている。

トランプ氏が4月、世界各国に対し上乗せ関税を導入すると発表したことを契機に、米国資産は他の地域に遅れを取っている。S&P500株価指数が今年に入って4.7%下落している一方、米国を除くMSCIオールカントリー・ワールド指数は、1日まで7.4%上昇した。

原題:BofA’s Hartnett Says US Payrolls Are Key for Recession Playbook(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.