(ブルームバーグ):1日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台前半で推移。日本銀行はこの日の金融政策決定会合で政策を据え置き、経済・物価見通しを引き下げる見込み。植田和男総裁の会見での発言が警戒される中、円は小幅な値動きとなっている。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、植田総裁が関税の影響で不確実性が高まっていることを説明するトーンがハト派的になると、一時的に円安に振れるリスクがあると指摘する。その半面、「円安是正を望む米国の目がある中、日銀がハト派姿勢を押し出すのも難しい」とみる。
市場では米東部時間5月1日午後に行われる2回目の日米関税交渉や2日発表の米雇用統計を見極める姿勢もあり、「きょうの日銀イベントに対する相場の反応は限られるのではないか」と苅谷氏はみている。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、1回目の日米関税交渉では水面下で為替についても協議したとみており、「日銀は条件が整えば利上げを継続し、それが円高に結び付くというのが日米の共通認識ではないか」と指摘。2回目の交渉を控え、植田総裁が会合後の会見で「年内利上げのニュアンスを出してくるかどうか注目だ」と述べた。

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