(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は、変動の激しい金融市場の動向を注意深く監視する必要があるとの考えを示した。
デギンドス氏は28日、欧州議会で演説し、域内の銀行システムはしっかりしているが、当局者は油断してはならないと警告した。
同氏は「通商政策を巡る最近の混乱は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降で最も深刻な金融市場の混乱を引き起こした」と指摘。「これらの動向には慎重な監視が必要だ。金融市場における急激な調整は無秩序となる恐れがある。拡大するノンバンク金融機関の規模と影響力によって混乱が増幅すればなおさらだ」と続けた。
金融安定性を担当するデギンドス氏は「ユーロ圏の銀行のバリュエーションにも影響が及んでいるが、ファンダメンタルズは引き続き底堅く、資本・流動性のバッファーも手厚いことから潜在的な衝撃への備えも十分だ」と述べた。
その上で同氏は金融市場へのストレス以外にも当局者が警戒すべき脅威があるとして、「貿易摩擦は家計と企業のいずれにも問題をもたらし、銀行とノンバンク両方で信用リスクが押し上げられる恐れがある」と述べ、「成長の鈍化と支出需要の高まりは、政府の財政に対する圧力を強める可能性がある」と続けた。
原題:ECB’s Guindos Warns of Disorderly Market Risk Amid Trade Turmoil
(抜粋)
--取材協力:Alexander Weber.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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