24日の欧州債券市場は、欧州中央銀行(ECB)関係者の発言により利下げ観測が拡大し、欧州債が広く買われた。イタリア10年債とドイツ債の利回り差(スプレッド)が、4週間ぶりの低水準に縮小した。

短期金融市場は、ECBによる年末まで67ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを織り込んでいる。23日時点では62bpだった。

ECB政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁がブルームバーグとのインタビューで、ECBはおそらくさらなる利下げをしなければならないとした上、これまでより大幅な利下げも排除すべきでないと述べた。

一方、ECBのチーフエコノミストを務めるレーン理事は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで利下げ幅を拡大する可能性について質問され、「哲学的には、われわれはどのような金利経路にも事前にコミットしない。既定の25bpの利下げを常に行うという理由もない」と答えた。ただし同氏は、自分の発言があくまで理論的な説明であると強調した。

好調な新車販売台数などで押し上げられた自動車株により、欧州株は一時の下落分を相殺した。

ストックス欧州600指数は、一時0.8%下落していたものの、0.4%上昇し取引を終えた。欧州の新車販売台数が3月、昨年12月以来の増加に転じたことが発表されたほか、ルノーの1-3月期(第1四半期)決算も、難しい市場環境の中で好調な結果となり、自動車株が広く買われた。

トランプ米大統領が対中関税について、一部の中国製自動車部品は免除する方針との英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道も、自動車株押し上げにつながった。

原題:Bonds Bull-Steepen on ECB Bets, Bunds Lag; End-of-Day Curves、European Stocks Gain, Lifted by Carmakers, Renault Results(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

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