シンガポールのウォン首相は16日、米国の内向きな政策により国際情勢に空白が生じ、世界が「さらに分裂し、無秩序」な状態になるとの考えを示した。中国も米国の空白を埋めることはできないとみている。

シンガポール政府は15日に総選挙を5月3日に実施すると発表したばかり。約1年前に発足した政権を率いる首相(52)はシンガポール工科デザイン大学で講演し、貿易に頼るシンガポールはできる限り「重要な多国間枠組みを維持」し、他の東南アジア諸国に地域統合の深化を促したいと表明。

世界の秩序を保証してきた米国が姿勢を変えたことにより「世界は混沌(こんとん)とした移行の真っただ中にある」と指摘し、今後どうなるかは「誰にも分からないが、中国であれ他のどの国であれ、その空白を埋める意思も能力もない」と述べた。

貿易戦争の拡大や南シナ海の領有権問題で緊張がすでに高まっており、シンガポールのように政治的にも経済的にも米中の間に挟まれた国々に対する圧力は一段と強まっている。

「この競争はすでにわれわれの世界を再形成しつつあり、今後何年にもわたり地政学的な状況を定義し続ける」と首相はみているという。

世界的な不確実性はシンガポールにすでに打撃を与えている。政府は今週、2025年の成長率予測を従来の1-3%から0-2%に下方修正し、世界貿易の低迷により、さらなる痛みが待ち受けている可能性があるとの見方を示した。

原題:Singapore PM Warns of ‘Messy Transition’ as US Steps Back(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.