米株式市場が混乱し、米国債が売られた8日の夜、上院議員のグループがトランプ大統領に関税政策が原因で市場で相場暴落が起きていると電話で率直に伝えた。

共和党のテッド・クルーズ議員によると、1時間続いた電話の中で同議員は「1、2カ国を選び、今すぐ取引を成立させた方がいい。相手がどこの国であろうと構わない。1カ国でも2カ国でも選ぶべきだ」と大統領に訴えた。

「私はそうすれば市場は大幅に落ち着くと思うと伝えた」という。

テキサス州選出のクルーズ議員は11日、自身のポッドキャストで、大統領は関税は「素晴らしい」し「大量の資金を調達している」と反論したと振り返った。

9日になると共和党の昼食会で議員らは大統領が中国を除く国々を対象に上乗せ関税を90日間停止すると発表したことを知った。「はっきりした安堵(あんど)感があった」とクルーズ議員は述べた。

同議員はトランプ大統領を強く支持しているが、関税引き上げという政権の目玉政策に関しては声高な反対派として存在感を示しつつある。

クルーズ議員は先に、関税政策は米経済に「甚大なリスク」をもたらし、共和党は来年の中間選挙で「大敗」を喫する可能性があると語っていた。

一部関税の停止発表後、米株式は大幅に上昇したが、金融市場では依然として高いボラティリティーが続いている。

クルーズ議員は11日のポッドキャストで、トランプ大統領のアドバイザーらを貿易関税を巡り争う「天使と悪魔」にあらためて例えた。

「悪魔」たちは長期の関税賦課で歳入が増えると主張していると同議員は説明した上で、そうしたアプローチは米国民への課税に等しいと警告。「ひどい結果になると思う」と話した。

原題:Ted Cruz Says Senators Urged Trump to Stem Market ‘Freefall’(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.