欧州中央銀行(ECB)は、フランスの銀行BNPパリバによる仏保険会社アクサの資産運用会社買収計画に緩めの資本規定を適用することについて否定的な見方を示している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

ECBの銀行監督部門が「デンマーク・コンプロマイズ」として知られる寛容な資本ルールを用いることに反対している。内部協議だとして関係者が匿名を条件に語った。業界全体で平等な取り扱いを確保したいと考えていることがその理由だという。

2012年にまとまったデンマーク・コンプロマイズは銀行に対し自己資本比率の算出で、保険部門の一部除外を認めるもの。以来、数行が保険事業を通じた買収にこの緩い資本ルールの活用を探ってきた。

BNPによるアクサ・インベストメント・マネージャーズ買収は、13年以上にわたりBNPを率いているジャンローラン・ボナフェ最高経営責任者(CEO)にとって最大の買収案件で、保険部門を通じて行われ、デンマーク・コンプロマイズの適用が可能とみられていた。

ECBの見解によれば、BNPがアクサ・インベストメントを51億ユーロ(約8300億円)で買収する計画は、BNPの想定よりも大きな資本負担を招く可能性がある。

BNPの広報担当は「買収プロジェクトは進行中で、7月前半に完了する予定」だとし、「現段階ではこれ以上のコメントはない」と説明。今月24日の決算発表を控え、発言を控える期間に入っているという。ECBの担当者はコメントしなかった。

原題:BNP Paribas’ Capital Treatment in Axa IM Deal Opposed by ECB (3)(抜粋)

--取材協力:Sonia Sirletti、Alexandre Rajbhandari、Jorge Zuloaga.

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