新年度になって、お花見をする機会が増えたところだろう。お花見で持っていく食料品(お弁当・おかず・飲み物)をウエイト付けして、花見コスト指数を作成してみた。コロナ前よりも約2割も高くなっている。この間の物価上昇(約1割)の2倍の上昇ペースである。食料インフレは、私たちの身近な活動にも忍び寄っている。

花見コスト指数

新年度がやってきて、季節は明るくなった印象がある。丁度、桜が満開になって、お花見のシーズン到来である。2025年は、東京の桜の満開が3月30日(平年3月31日)だという。

ところが、最近はお花見の費用が高騰してきているようだ。筆者が、テレビ番組に依頼されて、物価高がお花見にどう影響しているのかというデータを調べてみた。筆者が考えたのは、お花見に持っていく食べ物・飲み物14品目を抽出して、その物価水準がコロナ前(2019年平均)よりもどのくらい上昇しているかという視点で、物価指標を作れば、お花見のコストがわかるという内容だ。

花見の定番の食品・飲料として挙げられるものを調べて列挙すると、 (1)おにぎり (2)弁当 (3)すし弁当 (4)調理パン (5)やきとり (6)からあげ (7)だいふく類 (8)まんじゅう (9)ポテトチップス (10)茶飲料 (11)炭酸飲料 (12)ビール (13)ワイン (14)チューハイ になる。

これらを消費者物価指数の構成ウエイトで加重平均したものを「花見コスト指数」とした。この指数は、2022年秋くらいから上昇して、消費者物価以上に価格高騰している。2024年秋から再び高騰が進んで、2025年2月時点では、2019年平均=コロナ前に比べて、21.4%のコストアップになっていた。消費者物価・総合がコロナ前に比較して10.8倍に上昇しているのと比べると、伸び率は約2倍の高騰が起こっていることがわかる。