セブン&アイ・ホールディングスが5月に開催する予定の定時株主総会に関して、3月末の締切までに株主提案を出した株主がいなかったことが分かった。同社の広報担当者がブルームバーグの取材に対し明らかにした。

5月27日の株主総会の議案は開示されていないが、例年通りであれば会社側が提案する取締役選任案などが諮られる見通しだ。セブンは井阪隆一氏に代わり、社外取締役のスティーブン・デイカス氏が社長に就任することを表明している。3月には複数の取締役が退任していた。

物言う株主の1社である米資産運用会社アーチザン・パートナーズ・アセット・マネジメントも株主提案を出さなかった。同社はかねてセブンにカナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールとの買収交渉にきちんと臨むよう求めるなど圧力をかけてきた。

3月にはデイカス氏の取締役選任について、セブンの対応によっては反対票を投じる可能性が高いことを表明。その後相次いで取締役の退任が発表された際も経営陣の責任追求を株主に呼び掛けただけに、動向が注目されていた。

セブンは4月中に開く取締役会で議案の内容を固め、招集通知を出す方向だ。株主提案がない場合は会社提案について株主は検討することになるが、株主総会当日に修正動議が出される可能性は残る。

2年前の株主総会では取締役選任を巡りアクティビスト(物言う株主)の米バリューアクト・キャピタル・マネジメントが株主提案で独自の候補者を立てたが否決された。

--取材協力:松山かの子.

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