米株式市場の混乱で新規株式公開(IPO)の先行きが不透明になっている。ウォール街の一部の関係者は、IPO成功の可能性を高めるため、企業に対して評価額を引き下げるよう求めている。

ステーブルコイン発行のサークル・インターネット・グループは1日、IPOを申請。デジタル決済企業クラーナ・グループや広告・マーケティング会社MNTNなどに続き、今後数週間から数カ月以内の上場を目指している。

しかし、景気の低迷や市場の乱高下がIPOへの投資意欲の重しとなっており、期待の高い案件でさえ打撃を受ける恐れがある。2025年のIPO規模上位10社のうち4社は、既に株価がIPO価格を下回っている。

 

RBCキャピタル・マーケッツの米株式資本市場の共同責任者マイク・ベンチュラ氏は、「投資家からのフィードバックでは、適正な評価額で上場する質の高い資産を支援する考えが示されている」と指摘した。

人工知能(AI)向けクラウドサービスを手がける米コアウィーブは、投資家の反発を受け、IPO規模の大幅縮小を余儀なくされた。同社の株価は今週に入り反発し、IPO価格を上回る水準で推移している。

銀行関係者によれば、相場が不安定でも投資家を呼び込むには、企業は強固なバランスシートと買い手候補を引き付ける成長ストーリーを備えている必要がある。また、評価額のバランスを取ることも重要だとの見方で銀行関係者やアドバイザーらは一致している。投資家はどのIPOに参加するかについて、より厳しく見極める可能性が高いためだという。

原題:Wall Street Urges IPO Hopefuls to Trim Valuations in Weak Market(抜粋)

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