エア・カナダは3月31日、自国と米国の都市を結ぶ路線について、春から夏にかけて需要が低迷していると明らかにした。貿易戦争突入で、米国を旅行先に選ばないカナダ人が増えている。

年次総会でのプレゼンテーションによると、3月中旬時点で4-9月のカナダ・米国間路線の予約件数は前年同期から10%減少。この路線は2024年の旅客収入の22%を占めていた。

同社はカナダの航空最大手で、米国の都市への就航便数も最も多い。

バン・ソレンセン会長は総会で、懸念しているかとの株主からの質問に対し、「もちろん、懸念している」と答えた。

エア・カナダの株価は年初から35%下げている。

同社とウエストジェット航空は先週、地政学的な緊張が原因で米国での休暇を控える消費者がいると、それぞれの発表資料で説明していた。

トランプ米大統領の関税措置や、カナダを米国の51番目の州にすべきだとの度重なる発言を受け、カナダでは米国製品に対する不買運動が急速に広がっている。

一方、欧州行きの大西洋横断便の需要は強いとソレンセン氏は指摘。エア・カナダはこの日、エディンバラ、パリ、アテネ、ローマなどへのフライトを今夏に増便すると発表した。

原題:Air Canada Says US Bookings Down 10% as Trade War Rages On (1)(抜粋)

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