米国の銀行株は2年前の地銀危機以来最悪の四半期を終えた。トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争が景気の腰を折るとの懸念が背景だ。

KBW銀行指数は1-3月(第1四半期)に3.9%下落。四半期ベースで2023年1-3月以来の大きな値下がりとなった。米大手銀6行の株価は3月31日、最終的には上昇して引けたものの、トランプ大統領による4月2日の関税発表を控え、再び不安定な展開となった。

 

市場は、トランプ氏による貿易政策転換がインフレ再燃と経済成長鈍化につながるとの不安に支配されている。調査結果を見ても、米消費者の懸念が強まっている。 決算シーズンを控え、金融関連企業の投資判断引き下げや利益予想下方修正がアナリストの間で相次ぐ。

ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループが先週発表した決算は、投資銀行・資本市場部門の減収を背景に期待外れの内容だった。一時期待されていた新規株式公開(IPO)と企業の合併・買収(M&A)ブームが、景気の先行き不安が意識される中で実現しなかったことを踏まえると、ジェフリーズ決算は他行を巡る警告シグナルとも受け取れる。

4月11日に決算を発表するJPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレーを皮切りに、米大手銀の決算シーズンが始まる。

原題:US Bank Stocks Post Worst Run Since Fear-Fueled 2023 Rout (2)(抜粋)

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