トランプ米大統領はウクライナ問題を巡るロシアのプーチン大統領の最近の発言に「頭にきている」と述べ、停戦が成立しない場合にはロシアの石油を対象に「二次的な関税」を検討するだろうと話した。NBCニュースが30日に伝えた。

しかしトランプ氏はその後、大統領専用機エアフォースワンの機内で、石油を対象とする制裁を直ちに科すことはなく、ロシアへの二次的関税賦課は望んでいないと記者団に語った。プーチン氏についても、約束を破るとは考えていないと発言した。

アジア時間週明け31日の原油先物相場はトランプ氏のプーチン氏を巡る発言を受けて当初上昇したものの、その後は落ち着いた動きとなった。トランプ氏の発言の影響を見極めたいとのムードが強い。

シンガポール時間午前7時58分(日本時間同8時58分)現在、北海ブレント6月限はほぼ変わらずの1バレル=72.84ドル、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)5月限もほぼ変わらずの69.43ドル。

NBCが30日の電話インタビューを基に報じたところでは、プーチン氏が最近、ウクライナのゼレンスキー大統領を排除し、新たな指導部を導入する方法を示唆したことに関し、トランプ氏は「長期間にわたりディール成立がない」ことを意味するとし、「非常に怒っている」と話したという。

トランプ氏は「私は頭にきた。ディールが成立しなければ、そしてそれがロシアのせいであると私が考えれば、同国に二次的な制裁を加えるつもりだ」と発言。プーチン氏と今週話す計画だともNBCに述べた。

ロシアは世界の三大産油国の一つで、同国産石油の購入に対し制裁を発動する取り組みは市場に広範な影響をもたらし、供給面で混乱があればインフレ圧力を高める恐れがある。ロシアによるウクライナへの全面侵攻以来、ロシア産石油の主な輸入国となっているインドと中国は特に大きな圧力に直面することになる。

 

トランプ氏は「ウクライナでの流血を止めるディールをロシアと私が成立させられない場合、そしてそれがロシアのせいだと私が考えた場合、そうではない可能性もあるが、ロシアのせいだと私が考えるなら、ロシアからの石油全てに二次的な関税を賦課する」とコメント。「ロシアから石油を買うなら、米国でビジネスはできないということだ」とし、25-50%の関税を賦課すると話した。

UBSグループの商品アナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏はトランプ氏のロシア産石油に関する発言について、「リスクにさらされている数量を考慮すると、価格は一段と強く反応するだろう」と指摘。「しかし、今のところは脅しだけで、供給の混乱は見られない。これまでも持続的な価格上昇が生じたのは実際の供給混乱後だ」と説明した。

トランプ氏は先週、ベネズエラ産原油・ガス購入国への25%の関税発動を発表することで、「二次的関税」という新たな経済的手段を打ち出していた。ベネズエラから原油・ガスを購入する国々は、米国との貿易で25%の関税を課される可能性がある。

トランプ氏はイランに対しても「二次的関税」を課すことを検討していると発言。核合意の締結を拒否すれば「爆撃が行われるだろう」と警告した。

原題:Trump Says He’s Not Putting On Oil Sanctions Right Now (1)、Oil Steadies as Traders Weigh Trump’s Threat of Russia Penalties、Trump Threatens Russia Oil Penalties Citing Anger at Putin (2)、Trump Says He’s ‘Very Angry’ With Putin, Threatens Oil Penalties(抜粋)

(トランプ氏のその後の発言、原油先物の動きを追加して更新します)

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