(ブルームバーグ):人工知能(AI)向けクラウドサービスを手がける米コアウィーブは、新規株式公開(IPO)価格を2.5%下回る価格で上場初日の取引を開始した。IPOは当初規模から大きく縮小され、15億ドル(約2200億円)を調達した。
コアウィーブ株は28日、39ドルで取引を開始した。IPO価格は40ドルだった。同社は当初、仮条件レンジ47-55ドルで4900万株を計画し、最大27億ドルの調達を目指していた。
既存株主である半導体大手エヌビディアが約2億5000万ドル相当の注文でIPOを支えたと、事情に詳しい関係者が非公開情報であることを理由に匿名でブルームバーグに明らかにした。エヌビディアの担当者はコメントを控えた。
IPOで公開された株式の半分は上位3位の大口投資家が購入したと、他の関係者が述べた。非公開情報であることを理由に匿名で話した関係者によると、上位15位の投資家で90%を取得した。
コアウィーブのマイケル・イントレーター最高経営責任者(CEO)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、エヌビディアの支援がなければIPOは「成立しなかっただろう」と話した。「他の27人が来てくれなかったら成立しなかっただろう」とも述べ、IPOは市場の変動が激しいタイミングで価格が設定されたと続けた。
関税リスクとインフレ懸念が市場を圧迫し、投資家はリスク資産を処分している。ハイテク株の比重が高いナスダック100指数はこの日、一時2.7%下落。2月に付けた最高値からの下げは13%に拡大している。
エヌビディアが支援するコアウィーブは、2017年に暗号資産(仮想通貨)のマイニング企業として創業。早い段階からエヌビディアのグラフィック半導体をデータセンターに取り入れ、AIアプリケーションで先行している。
IPOの主幹事はモルガン・スタンレーとJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グループ。コアウィーブ株はティッカーシンボル「CRWV」でナスダック市場に登録された。
原題:CoreWeave Drops 2.5% After Heavily Downsized $1.5 Billion IPO(抜粋)
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