(ブルームバーグ):欧州連合(EU)はトランプ米政権が発動する関税措置の一部緩和を目指し、譲歩が可能な分野を洗い出す作業を進めている。関税はすでにEU経済に打撃を与え始めており、4月2日はさらにその衝撃が強まると予想されている。
EU当局者らは今週ワシントンで米側から、来週発動予定の「相互関税」が不可避だと伝えられたと複数の関係者が明らかにした。また将来的にこれらの関税を緩和するための合意がどのような輪郭になるのか、初期的な協議も始まったという。
EUの行政執行機関である欧州委員会は、潜在的な合意の基盤となる「タームシート(交渉項目の概要)」の作成に着手したと、関係者らは匿名で話した。懲罰的な貿易措置を巡り交渉する分野として、EU側の関税引き下げや、米国との相互投資、特定の規制や基準の緩和などが含まれるという。
欧州委員会の報道官はコメントを控えた。

このニュースを受けてユーロは一時下げを消した後、前日比とほぼ変わらない水準となった。欧州債は上昇幅を小幅に削った。
EUと米国の間で何らかの交渉が成立しても、最終的にトランプ大統領の承認が必要になる。タームシートは相互関税が発効した後の交渉ベースという位置付けだと関係者は述べた。相互関税はEUから米国に輸出される品目のすべて、あるいはほとんどに打撃を与える可能性が高い。
シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)と欧州委員長首席補佐官は25日、ラトニック米商務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表、ハセット国家経済会議(NEC)委員長と会談し、貿易情勢について話し合った。
原題:EU Plans Concessions for Trump After Reciprocal Tariffs Hit(抜粋)
--取材協力:Olivia Fletcher、Aline Oyamada.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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