ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は船舶用エンジンなどを手掛けるMANエナジーソリューションズ部門の戦略的代替案について検討を本格化させている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

これら関係者によると、VWは同部門のさまざまな代替案を巡り助言会社候補と協議を行っている。代替案には同部門の上場や一部株式の売却が含まれるという。

非公開情報を理由にこれら関係者が匿名で明らかにしたところでは、同部門の評価額はどのような形の取引でも50億ユーロ(約8100億円)以上になり得る。協議は初期段階にあり、年内に合意に至る可能性は低いという。

VWの担当者は、最近の投資家向けイベントで投資の管理に積極的に取り組むと表明したことに言及し、保有株式についても「適切な解決策を見いだせるよう努力する」と説明。「今後も引き続き、ポートフォリオの積極的な運用に取り組む」と資料で述べたが、具体的な内容についてはコメントを控えた。

VWは2019年に同部門の売却を目指したが失敗していた。ブルームバーグ・ニュースは当時、同社がカミンズを含む複数の買い手候補と協議したが、提示額が期待を下回ったと報じていた。

VWは中国での販売低迷と、需要がコロナ禍前の水準に戻っていない欧州市場での競争激化により収益性が圧迫されている。オリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)はグループ全体の大幅なコスト削減を進めており、VWとアウディ、ポルシェの各ブランドで人員削減を計画している。

原題:VW Is Said to Mull Options Including Listing for MAN Energy Unit(抜粋)

--取材協力:Monica Raymunt.

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