ウォール街のボーナスは昨年急増し、総額は過去最高の475億ドル(約7兆1000億円)に達した。業界の利益急上昇を反映した。

ニューヨーク州のディナポリ会計監査官の推計によると、ボーナスの平均額はほぼ3分の1増え24万4700ドルとなった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降で初めて大きく増えた。

トレーディングや引き受け業務からの収入増で利益がほぼ倍増したことから、ボーナス総額は記録が残る1987年以降で最高となった。

ディナポリ氏は26日の発表資料で「金融市場の好調は、ニューヨーク州経済と、そこから生まれる税収に依存する財政にとって朗報だ」とした上で「連邦政府の政策が大幅に変更される中で経済の不確実性が高まっているため、2025年は証券業界の一部で見通しが悪化するかもしれない」と付け加えた。

23-24年にかけて、ウォール街からの納税額はニューヨーク州の税収の19%を占めた。24年のボーナスにより、所得税収入は23年と比較してニューヨーク州が6億ドル、ニューヨーク市が2億7500万ドル増加するとディナポリ氏は推計している。

ニューヨーク州のホークル知事の予算案は、州内の金融・保険業界全体でボーナスが16.4%増加することを想定しているが、ディナポリ氏の推計に基づくと、証券業界からの税収はこの期待値を満たすか、上回ることになる。

ディナポリ氏によると、ウォール街の証券業界雇用者数は約30年ぶり高水準の20万1500人となり、2000年のピークを上回った。

全米の証券業界の雇用に占めるニューヨーク市の割合は、金融機関がコスト削減のために他の地域に拠点を移しているため、1990年の約33%から18%に減少しているという。

原題:Wall Street Bonus Pool Surges to a Record $47.5 Billion for 2024(抜粋)

--取材協力:Pierre Paulden.

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