(ブルームバーグ):オプションや先物市場では、リセッション(景気後退)回避を目指す米連邦準備制度はさほど大幅な利下げを必要としないとの見方が広がっている。トランプ米大統領が関税について姿勢を軟化させているためだ。
トランプ政権は4月2日に導入する関税が予想より的を絞ったものになる可能性が高いと示唆しており、多くの資産クラスのトレーダーがこのシグナルに反応している。
関税が経済成長の重荷になり米連邦準備制度が景気てこ入れに踏み込まざるを得ないと予想されていただけに、今後の関税が緩和されれば、向こう1年間の利下げ圧力が和らぐ見通しだ。
こうした予想の変化は、フェデラルファンド(FF)金利と密接に関係する担保付翌日物調達金利(SOFR)のオプション市場で顕著だ。24日と25日には、連邦準備制度が年内に行動しなかった場合に利益を得られるプレミアム1000万ドル(約15億円)強のポジションが新たに一つ構築された。このオプションは、金融当局の次の一手が利下げではなく利上げなら、さらに利益が大きくなる。
連邦準備制度がより少ない利下げ回数を目指すタカ派寄りの姿勢を取るとの予想は、FF金利に連動する先物市場でも台頭。金利が低下しない場合に利益を得られるショートポジション(売り持ち)が、今週積み上がっている。
米国債に対してもトレーダーは一段と弱気だ。JPモルガンが25日発表した顧客調査では、米国債市場でロングポジション(買い持ち)は3週連続で減少し、ネットロング(買い越し)がこの5週間で最も低い水準となった。
原題:Options Traders Cut Back Expectations for US Rate Cuts This Year(抜粋)
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