(ブルームバーグ):ニデックから買収提案を受けている工作機械メーカー、牧野フライス製作所の労働組合は26日、都内で会見を開き、ニデックの株式公開買い付け(TOB)に強く反対すると意見表明した。
牧野フの宮崎正太郎社長に宛てた労組の意見書などによると、ニデックのTOBは同社のポートフォリオの穴埋めが目的でシナジー効果が不透明なほか、過去にニデックに買収された企業の労働条件が悪化している事例が確認されたことなどから従業員の信頼を得ないとしている。1月に952人の組合員に実施した投票では92.1%が同意見書の内容に賛同したという。
労組の加藤豊和書記長は会見で、ニデック側の対応について「不誠実で明確な回答がされていない」と述べ、経済産業省が示す企業買収における行動指針の原則にも資さないとの考えを示した。
ニデックは2024年12月、事前協議を行わない形で牧野フに買収提案した。牧野フはその後、複数社から買収に関する初期的な意向表明書を受け取ったと発表。提案の比較検討を行うためにTOB開始を5月9日以降に延期することなどを繰り返しニデックに要請しているが、現時点で明確な回答を得られていない。牧野フはニデックが延期しない場合、既存株主に新株予約権を無償で割り当てる対抗策を19日に発表している。
牧野フを巡ってはアジア系投資ファンドのMBKパートナーズや日本産業推進機構(NSSK)を含む複数の投資ファンドが、それぞれ買収を検討しており、ニデックも含めた争奪戦に発展する可能性も出てきている。
(会見内容を追加しました)
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