トルコの財務相と中央銀行総裁が25日、海外投資家と会談する。エルドアン大統領の政敵の拘束をきっかけにトルコ資産から数十億ドルが流出したことを受け、政府は市場の鎮静化を図っている。

財務省のウェブサイトによると、シムシェキ財務相とカラハン中銀総裁はロンドン時間午後1時に、シティグループとドイツ銀行が主催する電話会議で発言する予定。ブルームバーグは24日遅くにこの会合について報じていた。

25日午前の取引でリラは横ばい、トルコ株と国債は上昇した。

両氏は投資家寄りの政策を維持するというエルドアン大統領の24日の公約をあらためて強調すると見られる。中銀および財務省は、電話会談に関するコメント要請に応じなかった。

シムシェキ財務相

エルドアン大統領の最も手ごわい政敵であり、人気の高いイマモール・イスタンブール市長が拘束されたことに抗議し、大規模な街頭デモが発生。トルコ資産は急落した。

当局は、翌日物貸出金利の引き上げ、為替介入、株の空売り禁止など、金融市場の混乱を食い止めるための緊急措置を講じた。

エルドアン氏がシムシェキ氏の経済政策を公に支持したことを受け、リラは24日夜に安定を取り戻し、イスタンブール時間25日午前11時24分時点で、1ドル=37.9823リラで取引されている。先週17%下落したイスタンブール100指数は、25日は続伸し2.7%高を付けた。

エルドアン氏は24日の閣議後のテレビ演説で「われわれは過去2年間に実施した経済政策によって得た成果が損なわれることを決して許容しない」と述べた。

20日の緊急利上げに続き、中銀は23日に国内の主要金融機関の経営陣を招集し、さらなる対策を協議。リラ建て預金の源泉徴収税の引き下げなど、リラの安定につながる追加措置を検討している。

リラを支えるため金融システム内のリラの過剰流動性を吸収する措置も取っている。

マネックス・ヨーロッパのマクロリサーチ責任者、ニック・リース氏は「当局は政治的な嵐が過ぎ去り、市場が全てを忘れてくれることを期待して、リラ下落に歯止めをかけようとしている。今のところ、うまくいっているようだ」と話した。

原題:Turkey Officials Move to Calm Markets After Imamoglu Arrest (3)、Turkey Officials Move to Calm Markets After Imamoglu Arrest (2)(抜粋)

--取材協力:Beril Akman.

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