イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は同国経済について長期の成長率低下に立ち向かうため、人工知能(AI)のような技術的ブレークスルーが求められるとの見方を示した。

ベイリー氏はレスター大学での講演で、蒸気機関やコンピューターといった汎用(はんよう)技術の出現が「経済成長に重要な変化をもたらす」ことを歴史が示していると指摘。AIは生産性を向上させる次の技術になる可能性を持ち、英国のような先進国では高齢化が進んでおり特に必要とされるとの見方を示した。

生産性は金融危機以前から大幅に鈍化しており、人々の生活水準に打撃となっている。インフレを伴わず経済が成長する上で、生産性低迷は妨げとなるが、英中銀は同国の生産性が当面ほとんど改善しないと見込んでいる。

ベイリー氏は「経済の潜在生産能力支援のため、人間の労働をテクノロジーで補完する必要性が従来よりも差し迫っている」と言及。「AIの成長を促さなければならないと考えている」と述べた。

またAIが人々の仕事を奪うことは懸念していないとし、大量の失業を招かなかった産業革命時の技術を引き合いに出した。

 

原題:Britain Needs AI to Break Out of Slow Growth Trap, Bailey Says(抜粋)

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