米インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)に上場する濃縮・冷凍オレンジジュース先物が24日に下落。需要を巡る懸念が広がる中、年初来では45%下げている。

このままいけば1-3月(第1四半期)の下落率は四半期ベースで、記録を開始した1967年以降で最大となる。昨年12月には、異常気象で世界の生産が打撃を受けたことから記録的な高値水準で取引されていたが、今年に入り急反落している。

オレンジジュースの消費量は1990年代後半のピークから半分以下に減少している。新型コロナウイルスの流行期には、消費者がビタミンによる免疫強化を求めたことで需要が一時的に回復したが、その後、消費者は果糖の摂取を減らすことに重点を置いており、オレンジジュースの人気は再び低下した。

ニールセンとフロリダ州政府かんきつ局の集計データによると、2月までの今シーズンにオレンジジュースの販売量は7%減少。価格はこの2年で最低に近い水準にある。

 

オレンジジュース市場は貿易摩擦の矢面に立たされている。カナダの米国に対する報復関税の対象リストにオレンジジュースが含まれているほか、カナダにおける米国製品の不買運動で需要がさらに減少するとの観測もある。

最大供給国のブラジルでは乾燥した気候と酷暑の影響でオレンジの品質が低下しており、消費者離れを招く恐れがあるとアナリストは警告している。

同先物は前週末比0.3%安の1ポンド=2.7175ドルで終了。一方、コーヒー(アラビカ種)とココアの先物相場は上昇した。

原題:Orange Juice Heads for 45% Quarterly Drop on Beleaguered Demand(抜粋)

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