日本銀行の植田和男総裁は25日、日銀が保有する国債残高の大きさが長期金利を押し下げる方向に働くという効果は当面相応に作用し続けると語った。参院財政金融委員会で答弁した。

植田総裁は国債買い入れの政策効果について、保有残高が大きいことによって「長期金利を若干押し下げる方向に働くメカニズムを通じて影響している」とそのストック効果を説明。国債買い入れの減額計画に沿って進めている国債購入量の削減は極めて緩やかだとし、現状ではストック効果の方が大きいとの見解を示した。

日銀は昨年7月の金融政策決定会合で決めた長期国債買い入れの減額計画に沿って段階的に購入額を減らしており、20日時点の保有残高は約587兆円。買い入れ額を原則として四半期ごとに4000億円程度ずつ減額し、2026年1-3月に3兆円程度とする計画だが、期限の26年3月でも500兆円を超える残高が維持される見通しだ。

また、総裁は簿価で約37兆円、昨年9月末の時価で約70兆円に達した保有ETF(上場投資信託)をすぐに処分することは考えてないとし、「もう少し時間をいただいて検討していきたい」と改めて表明。市場などの情勢を勘案しつつ、適正な対価によること、日銀の損失を極力回避すること、市場に攪乱的な影響を与えないように配慮することを考慮して処分案を作成すると語った。

(発言の詳細を追加して更新しました)

--取材協力:氏兼敬子、横山恵利香.

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