ここ数年パフォーマンスが不振だったESG(環境、社会、ガバナンス)ファンドの運用者が、運用方針の見直しを急いでいる。高リターンを期待できる防衛関連企業に投資する余地をつくるのが狙いだ。

ロシアによる2022年のウクライナ侵攻から昨年12月末までの間、欧州サステナブルファンドで運用資産の最低1%を航空宇宙・防衛株に投じる商品のシェアはアクティブファンドで37%、パッシブでは67%も増えた。

モーニングスター・ダイレクトが、ブルームバーグ向けにまとめたデータで明らかになった。

長年そうした資産が投資に適さないとしてきたファンドの劇的な転換を意味する。

TAMアセット・マネジメントの英国最高投資責任者(CIO)ジェームズ・ペニー氏は「ESG投資家の多くは5-10年前なら、防衛株を買うか聞いてくるファンドマネジャーがいたら、笑いぐさにしていただろう」とコメント。これら投資家が以前なら「決してやらなかった」投資をしていると指摘する。

ここ数年平均を下回る運用成績にあえいできたESG投資家にとっては、市場を上回るパフォーマンスの資産に投資する機会となる。22年2月以降、「S&Pグローバル1200エアロスペース・アンド・ディフェンス指数」は約70%上昇。これに対しストックス欧州600指数の上げは25%程度にとどまる。

その間、「S&Pグローバル・クリーン・エネルギー・トランジション指数」の価値は3分の1余り消えている。

 

ブルームバーグのデータによれば、戦車・弾薬メーカーのラインメタルは、今やESGと登録されたファンド680本余りに保有されている。防衛関連のレオナルドも、ESGファンド485本が保有する。

原題:Fund Bosses Are Piling Into Defense Bets Once Deemed ‘Laughable’(抜粋)

--取材協力:Allegra Catelli、Claudia Cohen.

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