(ブルームバーグ):欧州連合(EU)は19日、米アップルと、グーグルの親会社アルファベットに対し、デジタル市場法(DMA)の順守を求めた。米シリコンバレーのテック大手に対する厳しい対応は、EUとトランプ大統領との緊張関係をさらに悪化させるリスクがある。
EUの執行機関、欧州委員会は、グーグルが巨大な検索プラットフォームで自社サービスを優遇し、アプリ開発業者が消費者をアプリストア「グーグル・プレイ」以外のアプリストアへ誘導することを妨げたと判断した。グーグルには今後、多額の制裁金が課される可能性がある。
アップルは、DMAに準拠するよう、スマートフォン「iPhone」の基本ソフト(OS)の制限を緩める必要があると通告を受けた。今回の措置は、直接的には制裁金につながらない。
リベラ欧州委員(競争政策担当)は声明で、DMAに準拠するコンプライアンス文化の醸成に重点を置いていると述べた。また、アップルを対象とした今回の措置は、同社のビジネス上のエコシステムを開放するための「重要な一歩」だとしている。
アップルは19日「今日の決定は、私たちを煩雑な手続きに巻き込むもので、当社の製品にとっても、欧州のユーザーにとっても悪いことだ」との声明を発表した。
グーグルは昨年、別件で課された当時過去最高額の24億ユーロ(約3915億円)の制裁金を不服としてEU司法裁判所に訴えたものの、主張を退けられた。制裁金は、グーグルが独占的な力を乱用してライバルの検索ショッピングサービスを妨害したとして課されたものだった。
アップルも、アプリ開発業者に対し、アップ・ストア以外の割安な商品やキャンペーンにユーザーを誘導することを認めなかったとして、今後数週間のうちに罰金を科される見通しだ。同様の行為で、同社は以前にも18億ユーロの制裁金を科されている。メタ・プラットフォームズも、フェイスブックとインスタグラムでの広告モデルが問題視され、決定を受ける予定だ。
EUが今後、アップルやグーグルに対して制裁金を課せば、トランプ氏の反発を買う可能性がある。トランプ氏は、EUの競争法(独占禁止法)などに基づく制裁金を、「米国に対する関税に等しい」と繰り返し批判している。関税をめぐる応酬がエスカレートする中、EUによる制裁金は、ホワイトハウスから挑発行為とみなされそうだ。
原題:Google, Apple Hit by Twin EU Rebuke Amid Big Tech Crackdown(抜粋)
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