(ブルームバーグ):証券会社キャンター・フィッツジェラルドの株式アナリストは19日、トランプ大統領のアドバイザーを務めるイーロン・マスク氏が率いるテスラの投資判断を引き上げた。ラトニック米商務長官は以前、キャンターの最高経営責任者(CEO)を務めていた。
キャンターのアナリスト、アンドレ・シェパード氏は19日、顧客向けリポートで、テスラの工場を18日に訪問した際の所見を引用し、同社株の投資判断を「買い」とした。テスラ株は今年に入ってから45%近く下落している。
シェパード氏はリポートで「最近の株価下落は、投資家にとって魅力的な参入ポイントを提供している」と記し、テスラが6月にテキサス州オースティンで有料の自動運転タクシー配車サービスを開始する計画など、今後の取り組みに期待を示した。

一方、トランプ氏の関税や電気自動車(EV)購入に対する税額控除廃止の可能性が、テスラの成長に水を差す可能性があると注意も促した。
他のアナリストは同社の2025年の自動車販売台数の予測を引き下げており、2年連続減少の予想もある。シェパード氏も「欧州での需要減と中国での競争激化、加えてマスク氏の極端な政治姿勢に対する否定的な感情から、1-3月期(第1四半期)は低調になると予想している」とした。
テスラ株は19日、一時3.9%高となった。
キャンターはテスラの目標株価を425ドルで据え置いた。トランプ氏の大統領就任直後の1月30日には、目標株価を365ドルから引き上げていた。シェパード氏は、8カ月前にはテスラ株の投資判断を「ホールド」相当に引き下げており、当時の目標株価は245ドルだった。
ラトニック氏は、数十年にわたりキャンターを率いていたが、2月にトランプ政権に参加するため退社した。
原題:Lutnick’s Cantor Upgrades Rating on Musk’s Tesla to a Buy (1)(抜粋)
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